2012年8月20日月曜日

通信線路H21-1問4(2)(ⅱ)

[光ファイバの損失測定(透過光法)など]
 A 光パワーの測定において、PDを用いた光電変換による方法は、熱変換による方法と比較して、検出感度が高く、応答時間が速い特徴を有している(正しい)。

 B 光パワーの測定において、WDM伝送方式で用いられる光源の発振スペクトル線幅が狭く、コヒーレント長(可干渉長)が短くなってきていることから、光パワーメータの反射が問題となる。対策として、被測定光ファイバとの結合部に直角研磨フェルールを使用することで反射を抑える方法がある(誤りだが、誤り箇所不明)

 C 光電変換形パワーメータにおいて、最低受光感度を悪化させる要因としてPD自体の熱雑音がある。対策として、受光器を冷却することで所要の最低受光感度を実現する方法がある(正しい)。

通信線路H21-1 問4(2)(ⅳ)

[OTDR(光パルス試験器)]
 ①OTDRを用いた光ファイバーケーブルの損失測定では、一般に、得られる後方散乱光パワーが非常に微弱であるため、光ファイバケーブルを往復する時間よりも短い周期で繰り返し光パルスを送出し、受信信号(後方散乱光強度信号)を相乗相加平均することで、SN比の良い信号強度を検出する手段が採られる。

 ②OTDRの使用において、一般に、光出射端近傍の反射光(後方散乱光)レベルからSN比が2のノイズフロアまでの後方散乱光強度が測定できる範囲はダイナミックレンジ(ダイナミックレンジDR=max-minである)といわれ、ダイナミックレンジが狭い広いOTDRほど長い距離の光ファイバの光損失を測定できる性能を有している。

 ③光コネクタなどの反射点で生ずる反射光及びその反射光で生ずる受信波形のすそ引きによって、近傍の反射店などの位置、光損失などの測定が不能となる距離範囲は、デッドゾーンといわれる(正しい)

 ④OTDRの仕様において、デッドゾーンには、反射測定デッドゾーンと、損失測定デッドゾーンがある。反射測定デッドゾーンとは、反射光のピークレベルから1.53.0[dB]低下する範囲である。


 特開2005-147871号公報
  損失測定デッドゾーンとは、フレネル反射のすそ引きと後方散乱光の受光レベルとの差が0.1[dB]以下になるまでの区間をいう。

 反射測定デッドゾーンの定義は不明

通信線路H21-1 問4(2)(ⅲ)

[光ファイバの心線対照方法など]
 ①心線対照に使用する可視光光源は、短波長の青色LDが使用されており、通信に影響を与えることがないため、通信が行われていないことを確認する必要はない。(誤り)
 
 ②光ファイバIDテスタを用いて切替心線を確認する場合、光ファイバIDテスタの送信部は所内成端部から心線対照光を切替心線に送出する。切替点では、光ファイバIDテスタの受信部で切替心線に曲げを加え、その曲げ部から漏れる心線対照光を検出して、切替心線の確認を行う。

 ③光ファイバIDテスタを使用した心線対照において、現用通信光の波長が1.55[μm]の場合は、一般に、心線対照光の波長として現用通信光と比較して波長の長い1.65[μm]を適用する。

 ④光ファイバIDテスタを用いた心線対照において、心線対照光は、自然光や現用通信光の漏洩光などによる心線対照光以外の光パワーの誤検出を防止するため、変調光が用いられる。