2012年9月18日火曜日

線路設備H20-2Q2(1)

[通信ケーブルの保守の概要]
 架空線路において、捻回、張力不均衡、日射などによる温度変化、風による振動などが要因となり、心線コアが接続端子函内へ突き出ることにより、通信に支障をきたすことがある。この有効な対策としては、心線コアを混和物などによる固定する方法がある。
 架空線路の外被損傷には、強風地域のダンシングにより生ずるリングカット現象、炎天下での外被温度上昇時における作業により生ずるものなどがある。また、生物による外被損傷には、リス・ネズミ・蟻などが外被をかじることにより生ずるもの、クマゼミの産卵管により生ずるもの、キツツキ類により生ずるものなどがある。生物による外被損傷の有効な対策には、ステンレス材を用いてケーブルを保護する方法などがある。

線路設備H20-2Q5(2)(ⅲ)

[光ファイバの分散特性について]
A 偏波モード分散とは、光ファイバ中の光の伝搬速度が偏波モードによって異なるために生ずる分散であり、シングルモード光ファイバで、偏波モード分散は生じない

・偏波モード分散(Polarization Mode Dispersion : PMD)は光ファイバー中を伝搬する光の直交する2つの偏波モード間に群遅延差が生じることである。この群遅延差は光ファイバーのコアの僅かな歪みや外部からの応力(環境的な温度変化や機械的な振動)などで生じるランダムな複屈折が原因(引用元:http://optipedia.info/fiberlaser/fiber/parameters/pmd/)。

経路が同一でも偏波面が異なる。


B 材料分散は、光の波長によって光ファイバ材料の屈折率が変化するために生ずる。一方、構造分散の値は、コア径や屈折率分布などによって決まる(正しい)。

C マルチモード光ファイバにおけるモード分散は、一般に、材料分散や構造分散よりも大きい小さい
・モード分散が支配的である。

線路設備H20-2Q5(2)(ⅱ)

[光ファイバの光損失の要因について]
① 吸収損失とは、光ファイバ中を伝わる光が外に漏れることなしに光ファイバ材料自身によって吸収され、熱に変換されることによる損失である(正しい)。

・吸収損失には、ガラス固有による吸収損失と、不純物による吸収損失がある。
 ・ガラス固有の吸収損失には、光ファイバ材料によって光が吸収され熱に変換されることによる損失をいい、0.1μmに損失ピークを有する紫外吸収と、10μmに損失ピークを有する赤外吸収がある。
 ・不純物による吸収損失とは、光ファイバ中のOH基によって、光が吸収され、熱に変換されることによる損失をいう。

② レイリー散乱不純物による吸収損失とは、光ファイバ中のOH基によって光が散乱する吸収されて熱に変換されるために生ずる損失であり、光損失の大部分を占める。

③ 構造不均一性による散乱損失とは、光ファイバのコアとクラッドの境界面の凹凸によって光が乱反射されることにより生ずる損失である(正しい)。

④ 光ファイバの曲がりによる放射損失とは、光ファイバが小さな曲率半径で曲げられると、コアとクラッドの境界面と光の伝搬方向との角度が変化して光ファイバ外に光が放射されることにより生ずる損失である(正しい)。